国の指導者に誰を選ぶか、どう選ぶかは、いつの時代も答えの出ない難しい問題である。選び方についても、様々な議論がある。

 筆者が最近見聞した中では、子供の数に応じて選挙権を与えるべきなど、一見突拍子もないが待機児童の問題や所得格差などとも関連して問題の多いこの国の行く末を考えると意外に卓見に思える。誰が選ばれるかについては、多くの日本人は暗中模索のような状況が続いているように見えるがどうだろうか。

オバマ大統領がウィザーズ対ブルズの試合を観戦

若いオバマ米大統領には世界中から注目が集まる〔AFPBB News

 さて、44歳のオバマ新大統領誕生に沸いている米国だが、選挙戦で劣勢だったマケイン候補は、オバマについて「まだ若い」とその経験不足を攻撃材料の1つにしていた。選び方、選ばれ方は千差万別とはいえ、政治家にとって、一国の指導者にとっての適齢期とはいつ頃か?

 答えが簡単に出る問題ではない。しかし、日本に比べれば総じて各国の指導者の年齢は若いと言えよう。

 目をCIS(独立国家共同体)諸国に転じれば、近年、天然ガスの埋蔵量から世界的な注目を集めるトルクメニスタンでは2年前に指導者が交代した。ソ連崩壊以降、故ニヤゾフ大統領による極端な鎖国体制と個人崇拝ばかりに注目が集まっていたが、その後を継いだベルディムハメドフ氏は、1957年生まれである。

 ロシアも、依然プーチン首相が大きな権力を握り、再登板への憶測が消えないものの、一応大統領職は 1965年生まれのメドベージェフ氏に引き継がれた。コーカサス随一の資源大国アゼルバイジャンでは、1961年生まれのイルハム・アリエフ氏が世襲ながら2003年以来大統領を務めている。

 とりわけ筆者がフォローしているグルジアのサーカシビリ(サアカシュヴィリ)大統領にいたっては、2期目を迎えていまだ40歳の若さ(1967年12月生まれ)である。

 米国から帰国した直後に国会議員に選出され、頭角を現したのは30歳になる前のことであった。2001年に司法大臣の職を辞し、反シェワルナゼの活動を開始した当初から次期大統領の有力候補とされていた。

グルジア大統領、「バラ革命」の夢ついえるか

グルジアのサーカシビリ大統領は2期目を迎えたがまだ40歳の若さ〔AFPBB News

 実は、グルジアでは憲法規定で大統領選への出馬は35歳から可能になる。サーカシビリの台頭を恐れて、彼が大統領候補の資格を得る前に、シェワルナゼが自発的に辞任し、側近に禅譲するなどという噂が流れたこともあった。結局、35歳を迎えて間もなく、無血革命(バラ革命)のリーダーとして大統領に選出された。

 そのサーカシビリも、革命から6年を経て、また、昨年の戦争に敗れて、相当政権運営が苦しくなってきている。