(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
ロシアのウクライナ侵攻では、なおロシア軍の各種ミサイル攻撃が絶えない。12月16日の最新のミサイル攻撃では首都キーウなどに合計76発が発射された。
ロシアのミサイルは空中発射巡航ミサイル「Kh-101」の性能が最も高いとされるが、最新の米国側の調査では、ロシアがこのKh-101をウクライナ侵攻前よりもやや速いペースで製造している状況が探知された。
ロシアのこの種の高性能ミサイルは、西側から輸入する精密部品の禁輸措置により製造困難になったとの観測が多かった。それだけに今回の調査結果は米欧諸国に衝撃を与えかねないという。
「Kh-101」とはどんなミサイルか
このロシアのミサイル生産状況の調査結果は、米国ワシントンの安全保障研究機関「民主主義防衛財団(FDD)」のロシア・ウクライナ研究部副部長、ジョン・ハーディー氏らにより12月17日に公表された。「ロシアのKh-101の生産能力を推定する」と題されたこの報告書は、米国の同財団がウクライナ軍当局と協力して調査や分析を進めた結果のまとめだという。