日常生活で蓄積した細かな不満がDVに発展する(写真:アフロ)

令和の現在、夫婦の3組に1組は離婚する。残る3分の2の多くも、大なり小なり問題や悩みを抱えている。ネットニュースやSNSでリアルな夫婦像に触れる機会が増え、我が身を振り返る人も少なくないだろう。9月6日に新著『妻が怖くて仕方ない』(ポプラ社)を上梓したジャーナリストの富岡悠希氏が「日本の夫婦の今」を明らかにする本連載。今回は自らが妻から受けたDV(ドメスティック・バイオレンス)の発端を明らかにし、回避策を模索する。

◎これまでの連載はこちらから
第1回:妻の暴力で脱臼、救急車で運ばれた僕が考える夫婦の「リアルと理想」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71659)
第2回:「既婚者合コン」に潜入、「良妻賢母」的なマリコさんに僕は困惑した(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71835)
第3回:社会でも家庭でも力を失う「弱者男性」、変わる夫の立ち位置を直視すべし(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72032)
第4回:男性がよく泣く韓国ドラマがうらやましい、妻のDVに涙をこらえる日本の夫(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72231)

(富岡 悠希:ジャーナリスト)

「賠償金を払ってもらうからな。あんたのことは、みんなで恨んでやるからね。地獄の果てまで、本当に。あんたを地獄に送り込むまで恨んでやるからな」

 2021年2月のある平日の午後、筆者は妻から罵声を浴びせられていた。怒髪天を突くような鬼の形相で、口調も普段の3倍速。時に床をドンドン踏みならし、身ぶり手ぶりが激しい。

 するとさらに怒りを増長させた妻が、「この野郎」と叫びながら向かってきた。そして、グーパンチを浴びせてくる。反射的に筆者は半身になって頭部をガードした。

「痛っ、痛っ」

 数秒間、サンドバッグ状態でこらえる。彼女の息が上がったタイミングで、やっと逃げることができた。