木に黒猫の実がなっていました。
「おお、立派な実がなっているねぇ」と声をかけたことに気をよくしたのか、黒猫の実は細い枝の先まで近づいてきました。でも思っていたより揺れたようです。「おかしいな、ちびっこのころに遊んだときには、こんなに揺れなかったんだけどな」。
黒猫が遊んでいた木の奥で、男性が落ち葉の掃除をしていました。声をかけると、「ちょっと待って」というゼスチャーをして、家に向かってなにか呼びかけました。すると出てきた若い女性が流暢な英語で「お父さんが呼んだからなんだろうと思ったので出てきたの。あなたは日本人ですか? 話し方でわかります」と、にっこり微笑みました。
その女性ソーニャさんは、「電波技師の研修を日本で受けたの。2カ月間だけだったから、日本語は話せないけど、同僚と一緒にランチを食べに行ったりしたので、食べ物のことは少しならわかる」と、屈託のない笑顔で話しました。
それから庭にいる猫たちを紹介してくれました。