(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
「正直に言う。何が問題か僕は分からない」
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党議員の関係について、そう堂々と記者会見で言い放ったのは、自民党の福田達夫総務会長だ。7月29日のことだった。
その日の夜になって福田氏は、慌てたように「社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題なのは言うまでもない」とするコメントを発表している。最初からそのような認識があれば、記者会見の発言もなかったはずだ。
耳を疑う国家公安委員長の発言
自民党の茂木敏充幹事長は8月2日の記者会見で、統一教会と党との関係を否定。
「改めて確認するよう指示し、一切の関係を持っていないことが確認できた。党の会合に招待したこともなく『友好団体』など、党と関係のある団体のリストに旧統一教会だけでなく、その関連団体の記載もなかった」
そう語る一方で、「個人の政治活動については、それぞれの議員が適切に説明を行うべきだ」としている。
まるで統一教会が、会員による多額の献金は個人の意思によるものだ、と主張して組織的な関与を否定しているのと同じように聞こえたのは、私の思い過ごしか。
さらには、教団の関連団体のイベントで実行委員長を務めたことを明らかにしている二之湯智国家公安委員長。2日の閣議後の記者会見で、こう述べている。
「平和の祭典という趣旨だったので名前を貸したのであり、旧統一教会の会員ではないし、どういう教義を持って活動しているのか分からない。お付き合いの一環として名前を貸した」