公式ホームページ(HP)上や各メディアの報道によって明らかにされている球団側の説明によれば、7月30日時点での現状においても試合に出場できる状態にある野手は捕手2人、内野手3人、外野手5人のわずか10人。同28日に育成選手だった勝俣翔貴内野手を急遽、支配下登録したものの内野手は最低限の4人を揃えられなかった。
さらに言えば、同27日から29日の間に行動制限が解かれた内野手は11人で、そのうち3人が最も早い27日に本格的な練習復帰。球団側は同29日の夕方、最も早く27日に練習復帰した3人についてトレーニング結果を確認したところ「上半身及び下半身の筋力が公式戦に出場できる水準に戻るにはまだ数日かかり、このまま31日の試合に出場させた場合、大きな故障につながりかねない」との結論を下した。
同28日に翌29、30日の対DeNA戦2試合がまず順延となった際にも球団側は公式HPで隔離期間を終えた内野手について「全力疾走や全力投球ができるコンディションにはなく、この状態で同29日からの試合に出場させた場合、大きな故障につながりかねない」などとチーム編成で苦境に立たされている理由を赤裸々に説明している。
プロ野球ファンが反応しているのがこの部分だ。SNSやネット上の反応を見る限り、「上半身及び下半身の筋力が公式戦に出場できる水準」や「全力疾走や全力投球」という文言に対して過敏に反応する声も多い。
陰性判定後の“回復ぐあい”の基準が明確でないことにファンはモヤモヤ感
確かに隔離期間が終わって陰性反応が出ているならば、NPB(日本野球機構)が定めている新型コロナ感染者「感染拡大防止特例2022」に則って試合出場はルール上可能ではある。こうした背景もあってなのか、隔離期間を終えた巨人の選手とチーム側に対し「出場メンバーの人数が足りないならば、たとえ『上半身及び下半身の筋力が公式戦に出場できる水準』に戻っておらず『全力疾走や全力投球』ができなくても試合に出すべきではないか」「そもそも『上半身及び下半身の筋力が公式戦に出場できる水準』『全力疾走や全力投球』という言葉が曖昧過ぎやしないか」などという類の批判がネットやSNS上を中心に散見されている。
中には「『上半身及び下半身の筋力が公式戦に出場できる水準に戻るにはまだ数日かかる』ことや『全力疾走や全力投球』ができないというレベルが明確でない理由で試合の中止を判断するのはいかがなものか」などといった“あらぬ疑念”を向けるものまである。