(写真:AP/アフロ)

 プロ野球の巨人がコロナ禍から抜け出せない。7月31日に球団側は選手を含め4人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表。これで同19日以降、巨人からは支配下選手39人を含む81人もの感染者が確認されたことになる。

 セ・パ両リーグ12球団の中において、これほどの大規模感染が1チーム内で発生した例はない。最初の陽性者発表から2週間も経たないうちに次々と感染が急拡大した巨人の累計感染者数は「異常」とも言えるペースで増大し、とにかく群を抜いている。

「このまま出場させた場合、大きな故障につながりかねない」

 これにより巨人はチーム編成が困難な状況に陥った。そのため7月22日から24日までバンテリンドームで行われる予定だった前半戦最終カードの中日ドラゴンズ3連戦は延期が決定。さらに同26日(ペイペイドーム)、27日(松山中央公園野球場)の球宴2連戦を挟み、29日から組まれていた後半戦開幕カードの横浜DeNAベイスターズ3連戦(横浜スタジアム)も、ぎりぎりまで開催が模索されたものの結局延期となった。

 このDeNA3連戦も前カードの中日3連戦と同様、最初の2戦のみ最初に順延が決まり、3戦目について当初は実施の方向で巨人側も懸命にチーム編成等の調整を図っていた。しかしながら、どうにも立ち行かなくなって、苦渋の決断の末に試合挙行が不可能であることを申し入れ、相手球団を含めた12球団臨時実行委員会で了承され、五月雨式に延期が発表されている。

 今のところ順調に行けば、巨人は8月2日から本拠地・東京ドームで行われる阪神タイガースとの3連戦が後半戦の開幕カードとなる。だが、これだけの爆発的感染にさいなまれているチームの現状を見れば、この試合挙行も微妙と言わざるを得ない。

 巨人の感染爆発に伴う試合延期に関しては、ファンの間で物議を醸している。特に波紋を広げているのは「チーム編成が困難」となった理由だ。