(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
安倍晋三元首相の襲撃事件をきっかけに、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政治家の関係が取り沙汰されるようになった。
ここへきて自民党を中心に統一教会との関係を報道で指摘されるばかりでなく、率先してカミングアウトする国会議員まで出てきた。
ところが、統一教会との関係を認めたはいいが、その国会議員たちに悪びれる様子は一切無い。むしろ淡々としていて、まるで「そのどこがいけないのか」とばかりに開き直っているようだ。少なくとも戒めの言葉は聞いたことがない。
そこでサルにもわかるように、事件から3週間が経つ間に、私がこの事件と統一教会に関する問題について書き綴ってきた内容から、問題がどこにあるのか、説いてみたい。
宗教法人である以前に反社会的団体
まず、統一教会の位置づけだ。統一教会は日本の宗教法人法に基づく、日本の宗教法人だ。
ここでわけのわからない輩は、政治と「宗教」の関係を問題とまくし立てる。だが、信教の自由や表現の自由が憲法によって保障されている日本において、宗教団体や信者が政治家を支持することがあってもおかしくはない。政治家が宗教団体の信者であるのなら、なおさらだ。
ところが、統一教会は宗教である以前に「反社会的団体」である。そのことは、他でもない自民党の幹部が主張している。
自民党の安倍派で参院幹事長の要職にある世耕弘成参議院議員が、統一教会の学生組織である「原理研究会」の出身であるような書き込みをツイッターにされたことを、名誉毀損として3年前に訴えている。訴状には「原理研や統一教会に対して、反社会的な団体であるとの印象を抱く者が少なくない」ことから、社会的評価を低下させるものであると明記している――この詳細については、すでに7月18日に配信している*1。
*1 「統一教会は反社的」自ら起こした訴訟でそう論じていた世耕参議院議員(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71020)