強力な縦パス

 ブスケツに関しては長いことスペインの攻守の中心にいる。

 プレーエリアはピッチに散らばる11人のちょうど真ん中、他の10人全員と直接リンクする。GKと最終ラインからのボールを受け散らし、機を見ては縦パスを刺していく。集中力が切れず、後半の疲労の出る時間帯もひたすら首を振り周囲の状況を確認している。

 シーズン終わりの代表戦で肉体的にも精神的にも良好な状態だったが、今回もプレーは安定していた。本来は定位置をえるべき年齢に達しているロドリすら、彼と比較するとかすむほどだ。

セルヒオ・ブスケツ(写真:AP/アフロ)

 対戦相手としてはブスケツに激しいプレスをかけプレーを制限するのは常套手段。W杯でも間違いなくブスケツは狙われるだろう。当然、対策もある。ルイス・エンリケ監督は一貫してCBにボールを前に運べ、縦パスを出せる選手を配する。パウ・トーレス、イニゴ・マルティネス、エリック・ガルシアに加え、マンチェスター・シティで同じ役割を担うアイメリック・ラポルテもいる。

 日本もアンカーの遠藤航にマークが集中した際の展開が課題だが、スペインも同様というわけだ。出どころに蓋をされた際のCBの運ぶ力は両国にとって鍵になるだろう。