ほとんどの日本国民の年金を運用するGPIF(年金資金運用基金)はこれまで巨大な運用成果を上げてきた。
最新の運用状況(2021年度第3四半期)によると、2001年の発足以来の運用収益は107兆円に達し、199兆円の資産総額の半分を超える。
政府部門として、史上最大の財政貢献を果たしているのではないか。
GPIFの運用資産の約半分は外国資産に投資され、その外国資産の約7割は米国の株と債券に投資され、大きな収益を上げてきた。
しかし、私の見方では、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけとして、「21世紀型大恐慌」のプロセスが始まっている。
戦後の世界史で初めて、米国市場の大暴落と世界的な戦争の危機が連動する可能性が高まったからだ。
まだ、米国市場の本格的な崩壊は始まっていない。
GPIFは米国の株と債券のポジションをクローズして(手仕舞う、ともいう)、得たドルも今の円安ドル高のうちに円に換金して、あとは円の安全資産に逃避してほしい。
世界最大の純資産国日本の国運の相当部分がそこにかかっている。GPIFが日本の年金運用の中心だからだ。