韓国の次期大統領、尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏(2022年3月10日、写真:新華社/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国のジョセフ・バイデン大統領は5月下旬に、就任以来、初めて東アジアを訪問する。その際、最初の訪問国は韓国となる見通しが強くなった。

 近年の歴代米国大統領の東アジア来訪では、まず日本を最初の訪問国とすることが定型となってきた。今回その順序が逆転することは、日本側でバイデン政権の日本軽視とみるような反応も予想される。

韓国新政権との連帯強化を重視

 バイデン政権は今年(2022年)の早い時期から、5月末の日本への大統領訪問の予定をほぼ確実としていた。バイデン大統領が5月下旬に東京で開かれる日本、米国、オーストラリア、インド4国の安保協力機構「QUAD(クアッド)」の首脳会合に出席する意向を明示していたからだ。その来訪を日本への初の公式訪問とするという見通しだった。

 ところが4月22日にワシントンのネットメディア「アクシオス」が「バイデン大統領は5月下旬に韓国を訪問し、その直後に日本を訪れ、クアッド首脳会合に出席することを内定した」と報道した。「アクシオス」はホワイトハウス詰めの記者の報道として、バイデン政権が韓国の新政権との連帯強化をとくに重視し、韓国の訪問を日本よりも優先する大統領旅程を組むことになった、と解説していた。