ロシア軍のミサイル攻撃を受けたウクライナ西部の都市、リヴィウ(2022年4月18日、写真:ZUMA Press/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 ウクライナ戦争の日本にとっての教訓とはなんだろうか。

 国のあり方も対外関係も経済さえうまく運営していれば大丈夫だとする「経済万能主義」の崩壊だと言えそうである。ロシアの軍事的な野望と侵略によって、それまでの世界の経済相互依存はあっというまに崩れてしまったからだ。

「経済さえうまくいけば、政治や外交や安全保障の課題も解決される」という戦後・日本の経済至上主義は、世界の現実にはまったく整合しないことが、ウクライナ戦争によって実証されたとも言える。世界の冷徹な現実をいよいよ認めざるを得ない、というのが日本にとっての教訓だろう。

米国で語られるウクライナ戦争後の世界

 この点について米国の論壇でとくに納得させられる評論があった。