(オセラビ:作家・コラムニスト)
去る3月9日に行われた第20代大統領選挙で、与党・共に民主党の李在明候補が敗北し、文在寅政権は左派政権の継続に失敗した。172議席を持つ巨大与党が、一夜にして、巨大野党の境遇になったのだ。
たとえ1%にも満たない票差だとしても、共に民主党は政権の維持に失敗した敗因を厳しく分析すべきだが、そういった声はいまだ聞こえてこない。「負けたが、よく戦った」という、一種の精神的勝利に浸っているのかもしれない。
選挙結果については様々な角度からの評価があるが、一言で整理すると、文在寅政権の5年間に対して、有権者が審判を下したということだ。
韓国では、一度政権を取れば10年間は続くのが常例だが、わずか5年で行政に携わる国家機関のすべてを保守陣営に譲り渡すことになった。文在寅政権の要人や支持者にはとても認められることではないだろう。
文在寅政権と共に民主党は行政の他、立法府である議会、首長を通して地方自治体を抑えていたが、大統領選で敗北した。前述したように、政権交代は、文在寅政権に対して有権者が下した審判だ。民主党は、この事実を謙虚に受け止めねばならない。
左派政権の維持に失敗した要因は多々あるだろうが、その中の代表的な事例を、いくつか挙げてみる。
いくつかある直接的な原因の中でも、異口同音に指摘されるのは、やはり文在寅政権による不動産政策の失敗だ。