(山下和之:住宅ジャーナリスト)
マンション、一戸建て、新築、中古にかかわらず、住宅価格の上昇が止まらない。しかも、2022年に入って住宅ローンの金利も上昇傾向にある。住宅購入を考えている人は、きっとヤキモキしながら市場の動向を見守っているのではないだろうか。
これ以上価格や金利が上がる前に買ったほうがいいのか、あるいはもう少し様子をみて、値下がりのタイミングを待ったほうがいいのか、判断に迷うところだ。
そうした読者の判断の参考になるように、現在の住宅市場動向を詳しく点検してみよう。
中古マンションは10年間で5割以上アップ
まずは住宅価格の動向からみてみよう。次の〈グラフ1〉は首都圏の新築マンションの発売価格の平均と、首都圏中古マンションの成約価格の平均をグラフ化したものだ。
民間調査機関の不動産経済研究所の調査によると、新築マンションは10年間で4540万円から6260万円に37.9%上昇。中古マンションも公益財団法人の東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、2500万円から3869万円に、54.8%も上がっている。
一戸建てはどうだろか。やはり東日本レインズのデータをみると、首都圏の成約価格の平均は2011年には3468万円だったのが、2022年には3902万円に上がり、その間の上昇率は12.5%だった。中古一戸建ては2967万円から3451万円に16.3%上がっている。マンションに比べると上昇率はやや低いとはいえ、物価や賃金が横ばいか低下するなかでは、極めて高い上昇率といわざるを得ない。
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