皮膚と気道からミネラルを摂取できる温泉の効能
さて、今回ご紹介した10種類のほかにも、日本には珍しい泉質を持つ温泉があります。
そのうちの一つに、世界的にも希少な「モール泉」という泉質を持つ十勝川温泉(北海道)があります。モール泉とは、古い地層に含まれた藻類などに由来する植物成分が含まれた温泉です。
十勝川温泉は、300万年以上前の針葉樹や藻類などが堆積した泥炭層と、岩盤層で温められた地下水が出会って噴出しています。植物成分と岩石からのミネラルとが相まって、化粧水のような保湿効果があり肌がきれいになると評判です。こうした希少な泉質が楽しめるのも日本のバラエティに富んだ風土があるからでしょう。
私たちは、栄養素を体内に取り入れるというと、真っ先に経口吸収をイメージしがちです。しかし、温泉による経皮吸収はサプリメントを飲むよりも3~4倍、経気道吸収は7~8倍も効率がいいことが、アメリカの特許資料でも明らかにされています。皮膚と気道の両方からミネラルを摂取できる温泉は、とても効率的な健康法なのです。

私がそれを痛感したのが、かつて湯河原温泉(神奈川県)に行ったときのことです。