クーデター以降、軍政による強権弾圧が続くミャンマーで、民主政権の指導者アウン・サン・スー・チーさんの身辺警護官だった女性警察官に対する裁判の判決が、2021年12月30日に言い渡された。判決は禁錮3年という重い実刑判決だった。
反軍政の独立系メディアである「イラワディ」が2022年1月3日に報じたところによれば、禁錮3年の判決を受けたのは、クーデターが発生した2021年2月1日に軍政によってスー・チーさんが身柄を拘束される直前まで、ボディガードとして長年スー・チーさんに付き添っていたチェリー・テット警部補(30)。チェリー警部補は、裁判所から実刑判決を受けると、収監されていたヤンゴンにある政治犯を主に収容するインセイン刑務所から、中部マンダレーにあるヤメチン刑務所に移送・収監されたという。
チェリーさんは警察官でありながらスー・チーさんやスー・チーさん率いる民主政党「国民民主連盟(NLD)」への支持をSNS上で表明していたが、その行為が「反軍政行為」であるとして刑法505条違反などに問われていたのだという。
スー・チーさんの信頼厚い警護員
チェリーさんは女性警察官ということもありスー・チーさんの身辺警護員として国内外で常に傍らに付き添い、スー・チーさんからの信頼も非常に厚かった。
チェリーさんが警部補に昇任した際にはスー・チーさんが手作りのネックレスを直接プレゼントする様子もSNSで公開されていたし、チェリーさん個人のFacebookのアカウントにはスー・チーさんと一緒に写る写真がアップされていることなどから見ても、2人の間には強い信頼関係があったことがうかがえる。