今のところまだ効果は薄いが、この攻撃が続けば、いつの間にか「尹錫悦=親日派」という印象が国民に植え付けられてしまうかもしれない。実は過去にもそのようなケースはいくつもあった。例えば「国民の力」の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)元議員の事例だ。
「独島主語活動」に励んでも「親日」のレッテル貼られたら致命傷になる韓国社会
羅氏は初当選議員時代にソウルで開かれた自衛隊の行事に参加したことを機に、「親日派」というレッテルを貼られてしまった。それ以後、何をしても「親日議員」という“汚名”を返上できなかった。国会独島訪問団の団長を務めるなど独島守護に熱心に活動したにもかかわらず、「ナベ(羅卿ウォン+安倍)」という悪意に満ちたニックネームまでつけられた。「選挙は韓日戦」というフレームで行われた2020年4月の総選挙では、親日派だという攻撃に崩れ、選挙区を共に民主党の新人議員に奪われる屈辱を受けた。
「親日攻撃」は進歩系だけの武器ではない。今年4月のソウル市長選挙では、共に民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)候補が東京にマンションを保有していたことから、「親日攻撃」に巻き込まれた。国民の力は朴氏のマンションの分譲会社が日本の戦犯企業だとし、「朴氏が日本の戦犯企業から巨額のショッピングをした」と攻撃した。
進歩系側にとっても保守系側にとっても、「親日」ほど全国民に訴求力を持つイデオロギーは他にない。このため、韓国の政治家たちに貼り付けられる親日レッテルは、今回の大統領選挙でも猛活躍するものとみられる。