さらに宋代表は、19日、尹氏の幼い頃の写真について言及し、再び親日論議を刺激した。宋代表は、民平連(経済民主化と統一のための国民連盟)の早期総会の席で、尹氏が公開した自分の1歳の誕生日のお祝いの写真の中に、日本の紙幣が写っていると主張した。

 韓国には、1歳の誕生日にテーブルに様々な物を並べ、子どもが何をつかむかによって将来を占う風習がある。尹氏の1歳の誕生日の写真にも、各種の果物や品物とともに紙幣が載せられていた。

 宋代表はその紙幣についてこう述べた。

「尹錫悦氏の父親ユン・ギジュン氏は私が通った延世大学の教授でした。(尹教授は)裕福に日本文部省の奨学金を受けて一橋大学を卒業し、学術院の支援を受けて産業部に入りました。(息子の)1歳の誕生日会では韓国のお金の代わりに日本の紙幣がお祝いのテーブルの上に置かれたほどで、日本と近い裕福な延世大学教授・・・」

尹錫悦氏が公開した自身の1歳の誕生祝の時の写真。右手前に写っている紙幣は果たして日本円なのか?

虚偽の事実交えてまで攻撃

 ところが、赤ん坊の尹氏と一緒に写真に写っている紙幣は、1960年代に韓国銀行が発行した旧紙幣だった。これを日本の紙幣と勘違いした李氏の支持者たちが民主党側に情報提供し、宋代表が確認もせずに尹候補を非難する材料に使ったというお粗末ぶりだった。収まらないのは虚偽の内容で「親日派」と名指しされた尹氏サイドだ。尹氏側が「虚偽事実の流布で告訴する」との意思をほのめかすと、数日後、宋代表は「遺憾」を表明してみせたが、おそらく尹氏に対する「親日追及」は今後も続くものとみられる。

 早くから李在明氏の支持者たちは、尹錫悦氏がオフの時によく着るユニクロ・ダウンジャケットを問題視し、尹氏を「親日派」と罵倒してきた。学術院会員の尹氏の父親が学術院から支援金を受けることについても、「日本の右翼団体から後援金を受けている」という歪曲した認識を拡散することを躊躇しない。

 秋美愛(チュ・ミエ)前法務長官が検事総長だった尹氏に対して停職2カ月の懲戒処分を下したことは正当だったという裁判所の判決が言い渡されると、李在明氏は「検事総長が権力を乱用した事実が確認された」「親日派が身分を偽装して独立軍に成りすましている」という本件とまるで関係のない比喩を用いて批判するなど、事あるごとに尹氏を「親日」と印象付ける工作を続けている。