(岩田太郎:在米ジャーナリスト)
秋篠宮皇嗣殿下の長女の眞子元内親王(30)と小室圭氏(30)が結婚した。これまでの内親王たちの降嫁とは異なり、国民の反対が多い中で、結婚に関する公式宮中行事がすべてキャンセルされるなど、異例続きの「慶事」となった。
象徴天皇制の形成・展開過程に詳しい名古屋大学人文学研究科の河西秀哉准教授は、「今回の結婚で国民の“象徴天皇観”は分断された」と分析。「保守派からの批判だけではなく、『(私よりも公を重要視する上皇陛下の)平成流』を高く評価する層からも、眞子内親王の姿勢への疑義が見られるようになった」と述べ、皇室に多少なりとも関心を寄せる国民の批判が、今や広い層に拡大したと示唆した。
結婚祝福派も、反対の大きさを認めている。「周囲の猛反対にめげずにすべてを投げ捨て、ふたりの純愛を貫く、まさに駆け落ち婚」(女性セブン)との言説がそれに相当する。
また、眞子元内親王ご自身が、「国民からご自分たちの結婚そのものを祝福されていないのではないかと考えておられた」と、宮内庁参与の一人が語っている。小室眞子氏から女性週刊誌、そして皇室研究者に至るまで、国民からの結婚反対の声が非常に強いとの認識が共有されている。
こうした中、結婚反対・賛成両派の国民から、「国民に寄り添わない皇室は要らない」「皇族に基本的人権がないなら皇室は廃止すべき」とする皇室廃止論まで出るなど、天皇制が政治問題化している。