総裁選挙候補者による日本記者クラブ主催の公開討論会の様子(2021年9月18日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

意外に面白い自民党総裁選の論戦

 自民党総裁選が始まった。ぎりぎりで野田聖子氏が立候補したので、河野太郎氏、岸田文雄氏、高市早苗氏の4人の争いになった。4人の政見を新聞で読み、テレビでの討論会を聞いたが、それぞれに特徴、違いがあって結構面白いと思った。

 9月18日に日本記者クラブ主催の討論会が行われ、森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題について質問が出た。この質問に4氏はそれぞれ次のように語った。

 岸田氏は、「調査が行われ報告書が出されている。司法において裁判が行われ、検察の調査も行われ、民事の裁判も行われている。それぞれの立場で調査なり報告書が行われ、行われようとしている」と述べた上で、「そういったものをしっかり踏まえた上で、国民の皆さんの問題に対する納得感という観点において政治の立場からしっかり説明していくことが大事だと思う」と語った。当初は、「再調査は必要」としていたが、細田派や麻生派の支持を得るために、変更したようだ。

 河野太郎氏は、「少なくとも調査についてしっかりと行われた」とした上で、「この問題で心を痛めている方がいらっしゃる。その方の心の痛みにしっかり向き合わないといけないというのはあると思う」と語った。自殺した近畿財務局の赤木俊夫氏の妻の雅子さんと向き合うということだ。