3.中国理解に関する情報不足

 現地情勢に関する情報不足の問題は中国理解についても当てはまる。

 日本で通常得られる中国関連情報は政治・外交・安保関係に偏っており、中国の経済・社会・文化に関する報道は少ない。

 このため、民主主義とは異なる政治体制の特徴、対外強硬姿勢、東シナ海・南シナ海における中国の軍事的脅威といったネガティブな側面が強調される傾向が強い。

 加えて、ここ数年は米中関係が悪化しているため、米国の政府・有識者・メディアなどからは中国に対するネガティブな評価ばかりが流入する。

 特に日本の政府関係者やメディアの情報収集の中心地はワシントンDCである。このワシントンDCで話題に上る情報は政治外交分野に偏っており、経済分野は少ない。

 このため、米国内でも特に反中感情が強い。

 それにもかかわらず、その強いバイアスがかかった見方が米国を代表する見方として紹介され、誤解を招いている。

 つい最近もそうした日本の欠陥が招いた問題を耳にした。

 日本を代表するある一流企業の中国駐在幹部によれば、本社サイドにおいて日本政府関係者が常日頃、中国に関するネガティブな情報を強調している。

 このため、同社経営幹部層は自らの努力で情報を収集して裏付けを確認することもなく、それらの情報を鵜吞みにし、対中投資について慎重一辺倒の姿勢を取り続けている。

 彼らは中国市場で積極的に投資を拡大する欧米一流企業の実態に目を向けようともしない。

 結果として、必要以上に消極姿勢となり、中国市場でのビジネスチャンスを生かす意欲すら乏しいという状況が続いている。