システム障害が発生して記者会見するみずほFGの坂井辰史社長(3月17日、写真:つのだよしお/アフロ)

 日本の3大メガバンクの一つであるみずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ銀行とみずほ信託銀行は、2021年8月20日、システム障害により一時、全国の店舗窓口で振り込みや入出金ができない状態に陥ったと発表した。

 みずほ銀行では2021年2月末から短期間に4回のシステム障害が発生し、6月に「第3者委員会」が再発防止策を発表したばかりである。

 8月25日付け読売新聞は、次のように報じている。

「今年に入ってみずほ銀行で相次ぐシステム障害について、金融庁は、いずれも2019年に稼働した新たな中枢システムに起因するとの見方を強めている」

「障害が起きにくい最新鋭のシステムとされたが、逆に構造が複雑になり、トラブルの温床になる皮肉な結果となった。旧3銀行の『縄張り意識』も、いまだに影を落としている」

 さて、バブル崩壊後、国際競争力を得るためには規模の拡大が必要不可欠であることから、都市銀行の再編が行われた。

 その結果、2001年には、旧三井銀行の流れをくむさくら銀行と住友銀行とが合併し、三井住友銀行が発足した。

 2002年には、第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行が合併し、みずほ銀行が発足した。

 2006年には、東京三菱銀行とUFJ銀行とが合併し、三菱東京UFJ銀行(2018年に三菱UFJ銀行へ商号変更)が発足した。

 こうして、3大メガバンクが誕生した。

 ところで、ほぼ同時期に創設された3大メガバンクの中で、みずほFGだけで大規模なシステム障害が繰り返されるのはなぜか、と筆者は疑問に思った。

 そこで、みずほ銀行、三菱UFJ銀行および三井住友銀行の3メガバンクの勘定系システムの統合の状況を比較してみた。