別の青瓦台の高官は「崔前院長のファクトと一致しない言及、不適切に大統領を引き込んだ側面に対して遺憾を表明し、不適切な行動を指摘したもの」と批判した。

文大統領の父親の「親日疑惑」を提起した野党幹部に猛反論

 文大統領の父、文龍炯(ムン・ヨンヒョン)氏は、日本統治時代に興南の役場で農業係長を務め、50年の国連統治下で農業課長を務めたようである。高校を卒業していたというから当時としてはエリートだった。中産階級だったとすれば親日疑惑が生じる。

 中産階級出身でなくとも、太平洋戦争が勃発して戦時総動員体制を整えた日本統治下の朝鮮半島では食糧供出などが行われたが、農業関連の公務員は、穀物を収奪して日本に提供する任務を担っていた。

 こうした履歴を見れば、文在寅大統領の父親は立派な「親日」分子であろう。少なくとも、韓国における“定義”としてはそうなる。

 しかし、大統領就任以来、「親日排除」を進めてきた文在寅氏としてはこの「事実」を突きつけられることは致命的である。そのため直ちに崔前院長の言論封じに出たのだろう。

 与党「共に民主党」も文在寅大統領の言論封じにすぐさま呼応した。姜炳遠(カン・ビョンウォン)最高委員が崔前院長に対し「自身を任命した任命権者に対し亡くなった父親を親日派として言及したのは最小限の人間的道理すら放棄したもの。大統領候補なのか、ならず者なのかこんがらかる」と言葉厳しく批判したのだ。