オリンピック仕様に模様替えされる横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアム。ブルーの観客席と澄み渡るような青空(写真:AP/アフロ)

(山本一郎:作家、投資家)

 来月8月22日投開票日を控える横浜市長選への出馬を狙いながらも、その正式立候補表明を前に頓挫に追い込まれた池田純さんについては、既に週刊新潮本誌と講談社FRIDAYデジタルがその状況を報じています。

「横浜市長選」に不出馬宣言「ベイスターズ」初代社長の経費不正 「子供用DVDボックスセット」から「ソープ」まで(週刊新潮)
市長選不出馬の原因か…横浜ベイ元社長に囁かれる「金銭問題」(FRIDAYデジタル)

 これはまた大変な人が横浜市長選に出馬しようとしていたんですねえ。醜聞報道が出て、出馬は見送ったようですが。

 これらの記事の中身をそのまま信じるのであれば、池田純さんがメディアで公言し、書籍まで出して語っていた横浜ベイスターズの経営再建話や美談の類は一部か、または全部が虚偽の内容だったことになります。大丈夫なのでしょうか。

スポーツ業界「ゴロ」っぽい経歴だが・・・

 先般、タレントの堀江貴文とのYouTube対談で池田純さんが喋っている内容のメモが回ってきて、椅子から落ちそうになった関係者が続出したのもいい思い出です。

 その後、就任したスポーツ庁の参与職、日本ラグビーフットボール協会の特認理事、さいたまスーパーアリーナやプロバスケットボールチーム「さいたまブロンコス」の特別職と、さまざまなスポーツシーンの最前線に、池田純さんは登場しておられます。

 しかしながら、途中で物議を醸しつつも、結果を出すことなくこれらの団体との関係が続かず、結局は辞任に追い込まれたように見えてしまう点を鑑みても、ある種のスポーツ業界「ゴロ」っぽいと評価されてやむを得ない経歴なのではないかと見受けられます。

 さらには先般、横浜市長選出馬のための仕込みと思われた横浜市政本『横浜改造計画2030』(サイゾー社・刊)が上梓されていました。この本のプロモーションという建前で、事実上の選挙事前活動であるかのような青いラッピングバスが横浜市内を走り回るという事態となりましたが、選挙に出ないのになぜこんなプロモーションをしているのかは謎です。

 外から見ると、横浜市長選で立憲民主党や同党の江田憲司議員が当て馬的な保険として出馬依頼をかけただけのようにも見えますが、途中で本気になっちゃって、その後、梯子が外れてしまったというだけなのでしょうか。