北朝鮮・平壌を走る自動車(写真:TASS/アフロ)

 過去4回の記事では、外貨に依存した北朝鮮経済の現状や銀行預金が発達していない北朝鮮における現金管理のドタバタ、北朝鮮の富裕層で広まっている財テク、北朝鮮における不動産取引について紹介した。今回の「北朝鮮生活百科」は、北朝鮮のマイカー事情について。

◎日本や韓国からの送金で成り立つ北朝鮮・外貨循環経済の地下迷宮(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65851)
◎「金利」という言葉を知らない北朝鮮人は現金をどこに隠すのか(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65866)
◎「トイチ」「トサン」も、高利貸しに走る北朝鮮の最新財テク事情(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65891)
◎“売買”可能な物件とできない物件に分かれる北朝鮮の不動産事情(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65909)

 最近、北朝鮮でも自家用車を持つ人が急増している。

 2006年に始まる国連・安全保障理事会による北朝鮮制裁以前、北朝鮮で人気のある自家用車は主にトヨタや日産など日本製中古車だった。北朝鮮で自家用車に乗る人の大半が日本から帰国した帰国同胞やその子孫で、日本の親戚から送られた中古車に乗っていたからだ。

 一時は、元山(ウォンサン)港や清津(チョンジン)港、南浦(ナムポ)港などの各港から日本製中古車が持ち込まれたが、国連の対北朝鮮制裁が始まってからは日本製中古車が減り、中国製中古車が増加している。

 それでは、北朝鮮人はマイカーをどのように登録し、利用するのだろうか。