政策的な実績はある、でも評価されず
私は菅政権を純粋に政策面だけから見た場合には、なかなか堅実に仕事をこなしていると高く評価しています。
菅総理は昨年秋の就任時に、目玉政策として携帯料金の料金値下げを掲げました。日本の携帯電話料金は他の先進国の水準と比べて高すぎる。それを是正すると宣言したのです。
では現在、その携帯料金はどうなったか。東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの世界6都市で比較した場合、東京の料金は昨年に比べて急激に下がり、現在はなんとロンドンに次いで2番目に安い水準になっているのです。公約がしっかり実現できているわけです。
またマイナンバーの普及などデジタル化推進も主張していました。特に縦割りの打破には熱心で、複数の役所に跨る政策を統一するべく、「デジタル庁」設置も掲げました。これについては、前回の記事で詳しく書きましたが、5月にデジタル改革関連法案が可決され、デジタル庁設置を含め政府や日本のデジタル化への道筋をきっちり作っています。
ワクチン接種についても、当初こそ出遅れ感がありましたが、6月下旬になると目標としていた「1日100万回」接種もついに達成され、このままのペースでいけば他国と比べて遜色ない接種率を達成できるそうです。こう見てみると、菅政権は割と「やることはやっている」のです。
しかし、国民から評価されているとは言い難い状況です。こうした実績と評価のミスマッチはなぜ起きてしまうのでしょうか。