前出の日経新聞の中村特派員が指摘するように、「日台友好」を推し進めるのだったら、なぜ日本の5県(福島・茨城・栃木・群馬・千葉)産の農産品の輸入を解禁しないのか。台湾の法的には、昨年11月に「解禁不可の期間」は終わっているのだ。

台湾も主張している「尖閣」の領有権

 また、この先心配なのは、日本と台湾が、中国からの尖閣防衛で連携しようという動きが、日本国内で高まっていくことだ。尖閣防衛に関する日台連携は不可能である。なぜなら台湾(中華民国)も、「釣魚台(尖閣諸島)はわが国の不可分の領土」と主張しているからだ。台湾がこの主張を放棄してくれるなら話は別だが、そうでない限り、尖閣防衛に関しては、「日本にとって台湾も、中国と同様の敵」なのである。

 現在、蔡英文政権は「釣魚台問題」に関しては、ひたすら沈黙している。「主張を隠している」と言ってもよい。その方が日本を振り向かせられるという、したたかな計算によるものだ。

 日本が台湾と連携して、中国の脅威に対抗していこうという流れは、十分に理解できる。だが重ねて言うが、台湾は普通の日本人が考えているよりも、はるかにしたたかな存在だということを理解してつき合うべきである。新著『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』で詳述したが、「日本が兄で台湾が弟」などと勘違いしてつき合っていると、いつのまにか日本の国益を損ねていることになるだろう。