中国が言語も宗教も生活習慣も異なる少数民族のチベット人、ウイグル人、そしてモンゴル人などに共産党の政策に従わせる教育を行い、従わない者は強制的に拘束し、拷問してでも再教育し、場合によっては死に至らしめている。
建国直後はチベットや内モンゴル自治区を主な対象にしてきたが、今は主として新彊ウイグル自治区を対象にしている。
新彊でのウイグル人の行方不明者は百万人超に上っており、日本国内においても、親族の安否を懸念するウイグル人が多数いる。
ジェノサイドの再確認
1948年に採択されたジェノサイド条約によると、ジェノサイドとは次の5つの行為としている。
①集団(国民的、民族的、人種的、宗教的)の構成員を殺すこと
②構成員に重大な肉体的又は精神的危害を加えること
③集団に身体的破壊をもたらす生活条件を課すこと
④集団内の出生を妨げる措置を課すこと
⑤集団の子供を他の集団に強制的に移すこと
この条約を生んだのは第2次世界大戦中に行われた残虐行為を繰り返さないという国際社会の決意であるが、その背景にはナチス・ドイツがユダヤ人に対して行ったホロコースト(大量殺戮や迫害)への対応があったとされる。
中国の習近平政権は一国二制度を保証した英中共同声明を反故にして香港の自由・民主主義的な自治を奪い、今また、ウイグル人を強制的に収容し、民族浄化による絶滅計画を推進している。
こうしたことに対して米国の前政権はウイグル人権法(2020年夏)を成立させ、「ジェノサイド」と認定し、ジョー・バイデン政権も認識に変わりないことを闡明した。
英国も下院で決議して政府にジェノサイド認定をするように迫っている。