クラブハウスのアイコン(写真:ZUMA Press/アフロ)

 米フェイスブックは4月19日、音声を使って交流できるサービス「Live Audio Rooms(ライブオーディオルーム)」を開発中だと明らかにした。今夏にもフェイスブックのアプリや対話アプリ「メッセンジャー」内ですべてのユーザーが利用できるようになるとしている。

音声コミュニケーションに注目

 米CNBCによると、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は、SNS(交流サイト)で音声関連サービスを拡充していく計画で、今後数年かけて投資を増やすとしている。

 同氏は声明で「オーディオは第1級のメディアになると考えている。今後この分野の全領域でさまざまなサービスが登場するだろう」と述べた。

 ライブオーディオルームはまず、共通の趣味や興味を持つ人同士で交流するフェイスブック内の「グループ」に試験導入する。著名スポーツ選手やミュージシャン、テレビタレントなどが利用し、自社プラットフォーム内でファンとの交流を活発にしてもらう考えだ。

 同社は主催者が参加者に課金できる仕組みも用意する計画。都度の課金やサブスクリプション(定額課金)などを通じて情報発信者に収益化の手段を提供するという。

短尺オーディオやポッドキャストも

 フェイスブックは「Soundbites(サウンドバイツ)」と呼ぶ、短尺の音声コンテンツをニュースフィード内に投稿できるサービスも始める。著名人などが、エピソードや笑い話、詩の朗読といったコンテンツを投稿できるようにする。また、「オーディオクリエーター基金(Audio Creator Fund)」を設立し、これを通じクリエーターを資金面で支援する。

 フェイスブックは、アプリ内にポッドキャスト(音声番組)機能を用意することも明らかにした。ユーザーが興味を持つ番組を探しやすくし、アプリ内で聴取したり、友人にシェアしたり、コメントを付けたりできるという。サウンドバイツとポッドキャストは数カ月以内に始めるとしている。

競合サービスの機能を模倣

 今年(2021年)2月、米ニューヨーク・タイムズは、ザッカーバーグCEOが音声コミュニケーション型のサービスに興味を抱いていると報じた。社内で「Fireside(炉辺)」と呼ばれるプロジェクトを進めるように幹部らが指示したと伝えていた。