(写真:フェイスブックHPより)

 米フェイスブックは、開発中の眼鏡型ウエアラブル機器に顔認識技術を搭載することを検討していると、米CNBCが2月25日に報じた。AR(拡張現実)・VR(仮想現実)部門担当副社長のアンドリュー・ボスワース氏が自身のインスタグラムのアカウントを通じてフォロワーに語った。

「倫理的な問題をはらむ」、慎重に検討の考え

 同氏は「利用者が満足できるような素晴らしい活用事例がある」と述べた。その一方で、「顔認識技術や、常時作動のカメラやマイクについては、さまざまな方法で悪用される恐れがあり、倫理的な問題をはらむ」とし、慎重に検討する考えも示している。「顔認識技術の有無にかかわらず良い製品になる」(同氏)という。

 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は20年9月、フランスの眼鏡・サングラス大手エシロール・ルクソティカと眼鏡型ウエアラブル端末の開発で提携したと明らかにした

 最初の製品は「レイバン」ブランドで発売する予定という。21年内の市場投入を計画していると発表していたが、ボスワース氏は今回、計画は順調に進んでいると述べた。

 また同社は昨年、「アリア(Aria)」と呼ぶ試験端末のプロジェクトを立ち上げている。開発者が身に着ける試験用の眼鏡型ウエアラブル機器を介して動画や音声、視線追跡、位置情報などのデータを収集し、消費者向け眼鏡型端末の開発に役立てるというプロジェクトだ。

 その後プロジェクトの進捗や、エシロール・ルクソティカと開発中の端末の詳細は明らかにしていない。だがCNBCによると、端末では電話の着信や情報表示、利用者が見ている風景のライブ動画配信などが可能になるもよう。また、端末に情報を入力するための、AI(人工知能)音声アシスタントや、モーションセンサー搭載の指輪型入力装置も開発しているという。