(山田 珠世:上海在住コラムニスト)

 小学6年生になる我が家の次男坊は、お菓子を作ったり、料理をしたりするのが好きだ。ときにはネットでレシピを調べて週末にスイーツを作ったりしている。

 彼の将来の夢は、今住んでいる上海でパン屋を開くこと。「パンを焼くのと、お金の管理を、夫婦で分担する。パンを焼くのは僕」などと楽しそうに話し、家族でもときどきその話で盛り上がる。

 ある日、筆者が会社の中国人の同僚と昼食をとっていたとき子どもの将来の話になったので、そのことを話した。筆者が「子どもの夢を応援したい」と言うと、同僚は「いいね。日本人的な発想だね」とひと言。

 中国では、パン屋になりたいという子どもを応援する親はまずいないらしい。一般的に「大企業に勤めることこそが成功だ」という考えが根本にあるからだという。