春日山城(新潟県)の上杉謙信像 写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

関東の戦国武将の姿から上杉謙信の行動を紐解いた一冊、『謙信越山』は重版をするなど好調だ。著者である歴史家・乃至政彦氏と、『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』をはじめ、日本史をわかりやすく伝える本で人気を博すお笑いコンビ「ブロードキャスト!!」の房野史典氏との対談。最終回となる今回は、歴史をわかりやすく伝える方法や注目の戦国武将など、歴史好きならずとも気になる内容をご紹介。上杉謙信と戦国武将と芸人の意外な共通点とは?(全3回)(JBpress)

重版記念イベント4月12日にオンラインで開催決定。上杉謙信はなぜ「戦国最強」と呼ばれたのか? 写真をクリックすると概要と参加ページに飛びます。

歴史に興味がない人に読んでもらうには?

――乃至先生と房野さんは歴史関連の書籍を精力的に上梓されていらっしゃいますが、おふたりはどういったスタイルで原稿を執筆されているんですか?

乃至 私は最近タブレットやスマホで原稿を書くことが増えました。電車で移動中とかでもすぐに書けるので。『謙信越山』も9割くらいスマホだったかな。房野さんは?

房野 じつは僕もスマホなんですよ。パソコンを使えるときには使いますが、スマホとデータを共有しておいて、どっちでも進められるようにしています。それにしても、僕みたいにざっくばらんな文章ならわかるんですが、『謙信越山』のような精度の文章をスマホで書いちゃうってすごいですね!

乃至 いやいや、語りの部分でいうと房野さんの文章はすごいですよ。あの引き込まれる感じは、私にはマネができません。

房野 僕が接する人って、たとえばお笑いライブにきてくれるような方々のなかには、本当に歴史に興味がない人もいるんですよ。だから、手とり足とり懇切丁寧に説明していかないとわかってもらえないので。そんなことを続けていたら、あんな感じの文章に仕上がりました。

乃至 3行ぐらい読んで気持ちが離れちゃう人もいるわけですけど、まず3行読ませたら次の3行も必ず読ませよう、というくらいの意欲が感じられますよね。テンポが良く、なおかつ不特定多数の方にちゃんと内容を理解してもらえる文章を書くのって、わかっていてもなかなかできないものです。

房野 自由気ままに文章を書く分、とにかく内容的には最新の研究を取り入れながら正しい歴史を伝えていくことを、いつも意識していますね。