類を見ない異常な不動産バブルによって国民に多大な喪失感を与えている文在寅(ムン・ジェイン)政権で、その不動産を巡る大型スキャンダルが勃発した。
韓国政府の住宅問題を専担しているLH(韓国土地住宅公社)の職員たちが内部情報を利用して土地投機を行ったという「LHスキャンダル」疑惑が韓国社会を揺さぶっている。そればかりか、そこに文在寅一家をめぐる投機疑惑も加わり、投票まであと20日余りとなったソウルや釜山の市長補欠選挙の「最大変数」になりかねない情勢となっている。
不動産暴騰中の不正取引疑惑に世論騒然
この大型スキャンダルは、文在寅政権の政策理念を共有し、各種の政府政策に多大な影響力を及ぼしてきた進歩派市民団体の「民弁」(民主社会のための弁護士会)と「参与連帯」がLH職員たちの土地投機疑惑を告発したことから始まった。
今年2月4日、卞彰欽(ピョン・チャンフム)新国土交通部長官は、文在寅政権にとって25回目となる不動産政策を発表した。ソウル近隣の首都圏に大規模宅地を建設して不動産市場を安定させるという内容で、首都圏に計83万6000世帯分の新規宅地を確保して住宅を供給する計画だ。宅地選定や住宅供給を民間企業に任せず、LHなど政府が主導する「公共住宅事業」の形式で進められることを明らかにし、開発予定地区内に一定規模以上の土地や住宅を所有した人には優先的にマンションの分譲権を与えると発表した。
そして、不動産投機を防止するため、同発表後に不動産を契約した場合にはマンション分譲権ではなく現金清算を原則とするという規定も付け加える念の入れようだった。