2014年7月、中国が海外メディアに公開した人民解放軍の訓練風景 *本文と直接の関係はありません(写真:AP/アフロ)

 中国が突然、公開したインドとの「死闘」映像が、波紋を広げている――。

 2月19日、CCTV(中国中央電視台)の7チャンネル(軍事チャンネル)が、8分41秒の衝撃的な映像を公開した。それは昨年6月15日、中印国境のカラコルム山脈のラダック地方で、両軍が衝突し、インド側兵士20名が死亡したものだ。インド側からは、「中国側兵士も約40名死亡した」との証言が上がってきていたが、中国側はこれまで、この事件自体をひた隠しにしていた。

 それがいまになって唐突に、「死闘」映像の公開に踏み切ったのである。それは、ざっとこんな内容だ。

顔面血だらけの兵士

<祖国の西部の辺境、カラコルム高原で、昨年4月から、ある外国軍は両国の協議協定に違反して、一線を越えて即席の橋を作り始めたり、道路を修繕したりした。頻繁に一線を越えて、一方的に辺境管理の現状を改変しようと試みた。それによって、辺境の情勢はにわかにヒートアップしてきた。

 6月、外国軍は公然とわが方との間で一致した共通認識に違反して、一線を越えて挑発を行った。辺境の事件を処理する際の慣例と、双方が以前に結んだ約定に照らして、祁発宝団長は、問題解決の誠意をもって、数名の兵士を引き連れただけで、交渉のため前進した。そうしたら、相手方の暴力攻撃に遭ってしまったのだ(顔じゅう血だらけになってタンカで運ばれる映像が入る)。

中国がCCTVを通じて公開した映像