データベースソフトウエア大手の米オラクルが、本社を米カリフォルニア州レッドウッドシティーから米テキサス州の州都オースティンに移したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCなどが報じている。
「働き方改革の一環」と説明
オラクルは、「勤務地に関する、より柔軟な規定を導入する計画で、移転はその一環だ」と説明している。同社では、多くの社員が勤務地を選べるようになり、これまで同様に在宅勤務を続けることも可能だという。
同社は、こうした働き方を支えるため、レッドウッドシティーやワシントン州シアトル、コロラド州デンバーなどの米国の主要拠点を維持する計画。声明で「より近代的な働き方を導入することで、社員の生活の質や生産性を高めていく」としている。
「シリコンバレーの起源」、相次ぎ他州へ移転
オラクルは1977年にカリフォルニア州サンタクララで創業し、1989年に同州レッドウッドシティーに移転した。先ごろは、同じくシリコンバレーの起源と繁栄を象徴する企業と言われる米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)もテキサス州への本社移転計画を明らかにした。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「かつてイノベーションの代名詞だったシリコンバレーは、その輝きを失いつつあるのかもしれない」と報じていた。
最近は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、この地を離れる企業や起業家が増えているという。例えば、データ解析ソフトウエアの米パランティア・テクノロジーズは今年、本社をカリフォルニア州パロアルトからコロラド州のデンバーに移した。同社の共同創業者であるジョー・ロンズデール氏も先ごろ、自身のベンチャー企業をサンフランシスコからオースティンに移転すると明らかした。