国道巡りが趣味という著者による『番号は謎』

 天気予報の177番はかつて誰の番号だった? 狛江市の市外局番はなぜ03なのか? 京都駅には0番線はあるのに1番線がない? 原子番号にマイナスが登場? 電話番号や郵便番号、出席番号、暗証番号、駅番号・・・。番号は私たちの身近にあふれているが、関心を持つことはあまりなく、つけられた歴史や理由についてもほとんど知らない。

 鉄道、道路、銀行、旧制高校、野球やサッカーの背番号、交響曲、コンピュータや自動車の型番、そしてマイナンバーのゆくえ。番号は混沌とした世界を秩序立てる人間の武器だと語る著者が、その奥深く豊かな世界を案内する。22のテーマの中には、あなたが心ひかれるテーマが必ずあるはずだ。『番号は謎』(新潮新書)を8月19日に上梓したサイエンスライター、佐藤健太郎さんに話を聞いた。(聞き手:柏 海シード・プランニング研究員)

理系が萌える奥深き番号の世界

『番号は謎』を書いた佐藤健太郎氏

──番号に興味を持ったきっかけを教えてください。

佐藤健太郎氏(以下、佐藤):僕は各地の国道を巡るという変な趣味があり、国道に関する本を2冊出しています。なぜ国道などに興味を持ったのかとよく聞かれるのですが、考えていくうち自分は番号に興味があるのではと気づきました。すべての国道には、番号がついていますから。そして、鉄道マニアの担当編集者と、番号は国道や鉄道だけでなく世の中にあふれている、探っていくと面白いかもしれませんね、という話になりました。

 そこから郵便番号やテレビのチャンネルを調べていくと、これほど身近に番号が使われていながら、今まで番号自体を体系的に調べて扱った本がありませんでした。番号がどう決められたかについての記録もほとんど残されていない、これほどにも番号が興味を持たれていないということに驚きました。

 小さい頃から、野球選手の顔は覚えていなくても背番号は覚えていたり、道路の番号も何となく眺めたりしていました。自分できちんと意識していたわけではありませんが、番号に興味はあったのだろうと思います。

 僕の本業である化学も、原子番号が支配する世界です。このことを若手の化学研究者たちに話したら、妙に「なるほど」と共感されました(笑)。理系の研究者の気質として、番号や数字で管理することに愛着があるようです。それで僕も、生まれもって番号に興味があったから化学の方にいったんだな、と思うようになりました。