ニューヨーク州にあるグーグルのビル(写真:ロイター/アフロ)

 米国の司法当局が米フェイスブック(FB)と米グーグルを対象にする訴訟を準備中だと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが11月30日に報じた。

米で初のSNS反トラスト訴訟

 連邦取引委員会(FTC)のほか、州の司法長官らが加わる複数のグループが、それぞれに2社に対する訴訟を計画している。2021年1月までに4件の訴訟が提起される可能性があると関係者は話している。

 これらの司法当局は、フェイスブックがソーシャルメディア市場を、グーグルがインターネット検索・広告市場をそれぞれ支配しているとし、その独占的地位を利用して反競争的行為をしていないかを調べている。

 米国では10月に米司法省と11州がグーグルの検索サービスと検索広告について反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した。もしフェイスブックが提訴されれば、同国でSNS大手を相手取る初の反トラスト法訴訟になる。

FTCとNY州などがFB訴訟の準備、12月初旬提訴か

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米議会では、民主党議員が偽情報などの監視体制が手ぬるいとしてフェイスブックを非難している。一方で共和党議員は、保守的な言論を検閲しているとし、同社を批判している。こうした超党派の議員団が、フェイスブックなどに対する司法当局の動きを後押ししているという。

 報道によると、連邦取引委員会では数日内にもフェイスブックに対する訴訟を承認する見通し。同委員会は、フェイスブックが写真共有アプリ「インスタグラム」と対話アプリ「ワッツアップ」の買収を通じて、競争を阻害したかどうかに焦点を当てている。

 また、ニューヨーク(NY)州のレティシア・ジェームズ司法長官が主導する各州司法当局の合同グループもフェイスブックに対する訴訟の準備を進めており、12月初旬にも連邦地裁に提訴する可能性があるという。