写真:花井智子

 B.LEAGUEが開幕、バスケットボールシーズンの到来にちょっとした感慨がある。日本のバスケットボールトップリーグに27年間、実に四半世紀以上「存在し続けた」男がいないシーズンなのだ。

 その男は折茂武彦。昨シーズンまでプレイヤーとして一線で活躍し続け、49歳でオールスターMVPにも輝いた「伝説」と呼ばれる存在だ。折茂は同時に所属したB1リーグレバンガ北海道の創設者であり社長としてもバスケットボール界を牽引し続けた。

 10月に上梓し早くも話題となっている折茂の初の著者『99%が後悔でも。』には、バスケットボールから学んだこと、やんちゃすぎる半生、そして何より経営者として会社の立ち上げから現在に至るまでの壮絶な日々がある。本書より、バスケットボールと経営の関係について紹介する。

経営者として私がしてきたこと

 経営者として何かに長けているわけではない。

 思いを伝え、行動し、責任を取る。

 してきたことを振り返ればそのくらいだ。
 アナログと言われるが、とても大事なことでもある。

 レバンガ北海道には横田陽という、わたしの信頼するCEOがいる。わたしと横田の「二頭体制」は2016年に始まった。

 彼は、細かい営業戦略はもちろん、デジタル戦略にも取り組んでいる。おかげで、レバ ンガ北海道はアナログとデジタルを両軸で回せている。

 昨シーズン(2019-20)、チームは13勝27敗で3年連続の東地区最下位というひどい成績のシーズンを過ごした。ブースターには本当に申し訳がなかったけれど、その一方で、平均入場者数はB1リーグ全18チーム中4位という数字を出すことができた。前年比も約3.5%増えた。

 こうした結果は、学校訪問やチラシ配りといった「人」と直接繫がるアナログな方法と、顧客管理をデータで行なうデジタル戦略がかみ合ったひとつの成果でもあろう。