(写真:花井智子)

 9月8日に内閣府が発表した2020年4-6月のGDP改定値は年率換算で28.1%減少した。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の低迷は多くの業態で大きな影響を与えている。

 そのひとつがスポーツ業界である。

 多くのプロスポーツは「試合を観客が現地で観戦」することを前提にしたビジネスモデルを、時間をかけて作り上げてきた。コロナ初期はその試合ができず、試合ができるようになった現在も上限を設けた観客数で運営を行なう厳しい現実がある。

 また、観る人が少なければ、スポンサーの効果も薄く、そもそもスポンサー自体も「コロナ不況」の影響をもろに受けているのだ。

 打開策はどこにあるのか――。

 そんな危機的状況下で、異例の輝きを放っているチームがある。プロバスケットボール男子・B1リーグに所属する「レバンガ北海道」だ。先月には4期連続の黒字化を発表し、来季のスポンサー数もクラブ史上最多を更新した。果たして「レバンガ北海道」には何があるのか?

 今年の5月までプレイヤーとして一線で活躍し続け(このときなんと49歳である)、同時に経営者としてもチームの先頭に立った折茂武彦。10月に上梓し話題となっている初の著者『99%は後悔でも。』からその秘密をさぐる。

消えた1億円の収入

「レバンガ北海道」は決してビッグクラブではない。成績だけで見れば低迷を続けているチームだ。2018-19シーズンには「22連敗」「シーズン50敗」という不名誉なリーグ記録も更新した。

 人気はリーグトップクラスだ。ホームで試合が行なわれるたびに多くのファンが会場を訪れる。観客動員数は、Bリーグ初年度からつねにトップレベルを誇っている。ここ3シーズンは18チーム中2位、4位、4位だ。

 とはいえ、人気が高いからこの不況を好調に乗り切れたわけではない。むしろ、観客動員がドル箱だったが故に、試合減は大打撃となった。