B1リーグは昨シーズン、すべての日程を消化することができず、レバンガ北海道で言えば20試合が中止、そのうち、予定されていた(収入源となる)ホームゲームは9試合あった。見込んでいたチケット収入など全てがゼロとなる。
レバンガ北海道社長・折茂武彦は、その額はグッズの売上も合わせると、約1億円になると言った。レバンガ北海道の売上規模は約8億円。予定されていた1億円が消えたことがどれほど大きいか、想像に難くない。
しかしレバンガが輝きを放ったのはここからだった。スポーツ界がスポンサーとの再契約に苦戦する中、なんとその数を増やしたのである。
前シーズンの250社を超える、チーム史上最多数の企業がレバンガをサポートすることになった。
北海道の経済の冷え込みは、相当なものだった。ご存じの通り、北海道は日本で一番早く新型コロナウイルスの感染が拡大した地域だ。人の流れが止まり、同地の経済を牽引してきた観光業が機能しなくなったことによって“負の連鎖”が起きた。倒れていった企業も少なくない。
そんな中で、なぜ――。
その答えは「折茂武彦の存在」である。
49歳になった昨シーズンまで現役を続けたバスケットボール界の“レジェンド”であり、レバンガ北海度を立ち上げ、選手兼経営者として北の大地にバスケットボールを根付かせた、その人だ。