米アマゾン・ドット・コムと米ショッピングモール運営最大手のサイモン・プロパティー・グループがモール内百貨店の空きスペースの利用などに関して、協議中だと米ウォールストリート・ジャーナルや米CNBCが8月9日に報じた。
米シアーズ・ホールディングスと米JCペニーは、2018年10月と2020年5月にそれぞれ米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻した。2社は事業再建計画の一環として全米で数十の店舗を閉鎖している。
そこで、シアーズとJCペニーのかつての、あるいは現在の店舗空間の一部をアマゾンの物流施設に転換することでサイモンとアマゾンが話し合っているという。
サイモンが運営するモールには現在、計11店のシアーズ店舗と計63店のJCペニー店舗が入っている。このうち何店舗がこの協議の対象になっているのかは、今のところ不明だと関係者は話しているという。
新型コロナでモールの集客数減少
近年、モールの集客数は減少傾向にあった。しかし、今年2月ごろからの新型コロナウイルスの感染拡大によって来店客の減少が一気に加速したとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
その一方で、アマゾンのEC(電子商取引)事業は好調だ。同社が先ごろ発表した2020年4~6月期の決算は、売上高が前年同期比40%増の889億1200万ドル(約9兆4400億円)だった。純利益は同2倍の52億4300万ドル(約5600億円)と、2四半期ぶりの増益。いずれも四半期として過去最高を更新した。
こうした中、アマゾンは物流事業に多額の費用を投じ、コロナ禍で急増したEC需要に対応しようとしている。
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