7月28日、オンラインで開催されたアジアインフラ投資銀行(AIBB)の年次総会にビデオ参加した習近平主席(写真:新華社/アフロ)

 7月30日午後6時56分、中国国営新華社通信が、重要ニュースを伝えた。同日に、習近平総書記が、中央政治局会議を開いたというものだ。CCTV(中国中央広播電視総台)は約10分かけて、この長文の記事の全文を、繰り返し読み上げた。

 中央政治局会議というのは、9100万中国共産党員の「トップ25」にあたる中央政治局委員が集まる会議のことだ。通常は、月に1回くらい開かれるが、7月末に行われる会議は、節目の重要会議だ。

 その理由は二つあって、一つはその年の後半の党の(ということは国家の)方針を定めるからだ。もう一つは、8月上旬に行われる「北戴河会議」の前座となる会議だからである。北戴河会議については後述する。

新華社が報じた中央政治局会議7つのポイント

 新華社の記事は長文だが、注目ポイントは以下の7点だ。

①「5中全会」(中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議)を10月に北京で開く。

②議題は第14次5カ年計画(十四五=2021年~2025年)と2035年の長期目標の建議。

③「十四五」は第一の100年の奮闘目標実現後、第二の100年の奮闘目標の最初の5年。

④「十四五」は中国の特色ある社会主義の偉大な御旗を高く掲げ、習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想を指導に仰ぎ、深く貫徹しなければならない。

⑤新型コロナウイルスの深刻な打撃を受けたが、経済はゆっくり回復し、「復工復産」(仕事と生産の復活)は月を追って好転し、第2四半期の経済成長は想定を上回り、「三大攻撃戦」(貧国撲滅、大気汚染撲滅、金融システムの安定)は着実に推進している。

⑥これは党中央の政策決定の配置が正確で、党の指導が堅強有力で、わが国の経済の耐久力が強靭で、中国人民が偉大な想像力を擁していて、中国の特色ある社会主義制度が強大な生命力を有していることを十分に表明している。

⑦当面の経済情勢は依然として複雑で厳しく、不安定性と不確定性が比較的大きい。われわれが遭遇している多くの問題は中長期的であり、必ずや持久戦の角度から認識していかねばならない。

 以上である。小難しい用語が散見されて、何が重要なのか不明かもしれないが、私はいくつかの驚きを持って読んだ。