バフェットがコカ・コーラ株を持ち続ける理由

 ──奥野さんはご自身で運用するファンドの組入銘柄をどのように選んでいるのですか。

 奥野 売らなくていい会社しか買いません。私が手本としている米国の著名投資家ウォーレン・バフェットは、コカ・コーラの株式を1988年から現在までずっと持ち続けています。その間にコカ・コーラの株価は20倍になりました。

 20倍! 世界の人口はまだまだ増えていますし、経済的に豊かになる国が増えれば、その分、コーラを飲む人が増えますからね。絶対的なブランド力もありますし。

 奥野 そう。長期的に株価は利益に連動しますから、人口増加によって利益が増え続けるとしたら、株価も長期的に上昇していくと考えられます。だからバフェットは、コカ・コーラの株式を持ち続けるのです。

 ──どうすれば売らなくていい企業を見つけられるのでしょうか。

 奥野 「構造的に強靭な企業®」に投資することです。具体的には、「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」の要素を持っている企業は構造的に極めて強靭です。この3つの要素が弱まらない限り、その企業の株式を保有し続けていいと考えます。

「構造的に強靱な企業」の条件上記3つの要素が弱まらない限り、その企業の株式は保有し続けるべき

 ──確かにコカ・コーラもディズニーもナイキも、この3要素を持ち合わせています。ただ個人でこの3要素を見極めるのはちょっとハードルが高いかもしれません。

 奥野 確かに「構造的に強靭な企業®」に投資するには、ある程度会計の知識なども必要です。会計の知識はないけれど、資産形成の必要を感じている人は、ひとまず投資信託(ファンド)を買うという手もあります。