解雇後は今後の生活を見据え、「雇用保険の手続き」や「ハローワークへの相談」へ

 次に、コロナ解雇にあったとき、どのような行動をとったのかを聞くと、最多だったのが「雇用保険の手続きをおこなった」で49人、次いで「ハローワークに相談」が38人、「コロナに関わる各種支援制度を利用」が24人となった。気持ちを切り替えて、次の仕事や今後の生活のために行動を起こす人が多い傾向にあるようだ。

 一方で、「解雇を取り消してもらえるよう会社に交渉した」(5人)や「弁護士に相談」(2人)、「労働基準監督署に相談」(1人)など、解雇が納得できずに交渉や相談を持ちかけた人はごく少数だった。

 それぞれの対処法を取った人に状況を聞くと、次のような回答が得られた。

【雇用保険の手続きを行った人】
・当面の生活費に困らない状況になったので、これで良かったと思う。(40代女性)
・無理に次の仕事を探すより、すぐに給付金を受け取れるので、金銭的に助かった。(20代女性)

【ハローワークに相談した人】
・担当者が親身になって相談に乗ってくれ、次の仕事が見つかった。すぐにハローワークに行ってよかった。(30代女性)
・ハローワークに相談することで、解雇の怒りを解消し、今後に目を向けることができた。(30代女性)
・雇用保険の給付金は会社都合の退職なら7日間の待機期間後すぐに給付されるので、相談して良かった。(20代女性)
・ハローワークに相談したことで、次の仕事と再就職手当の受給ができた。(50代男性)

【コロナに関わる各種制度を利用した人】
・テレビでは「なかなか給付されない」との報道もあるが、解雇された時点ですぐにコロナに関する支援制度を利用したところ、早い段階で給付が下りた。(30代男性)

【解雇を取り消してもらうよう会社に交渉した人】
・雇用取り消しには至らなかったが、会社の事情を理解でき、納得できた。(30代男性)
・いくら会社のために働いても、契約社員はすぐにクビになると思った。(20代女性)
・仕事が増えたらまた雇うという形に。言うべきことは言ったほうが良いと感じた。(40代男性)

 コロナ禍により業績が悪化し、従業員の解雇を余儀なくされた企業もあるようだ。しかし、従業員の生活を守ることも企業の責任と言える。変化する社会の状況に合わせ、必要な対策を検討するとともに、従業員に対する適切な対応も必要となるだろう。

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HRプロ編集部

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