米アマゾン・ドット・コムは6月24日、自社のEC(電子商取引)サイトで偽ブランドなどの偽造品を販売する事業者の法的責任を追求する専門組織を設置したと発表した。
「専門組織で効率的に摘発」
元検察官や元捜査官、データアナリストなどの専門家で構成する「偽造品犯罪対策チーム」を発足。各国のブランドやメーカー、当局などと連携し、民事訴訟や刑事告発などを通じて法的責任を負わせるという。
アマゾンによると、同社は昨年、不正行為対策に5億ドル(約530億円)超を投じた。8000人以上の従業員を対策に充て、不正が疑われる60億点以上の商品と250万件以上のアカウントを削除した。
新たなチームは国境をまたいで活動する組織。これまでアマゾンのシステムを巧妙に回避しようとした不正行為のデータを収集・分析し、より効率的に摘発するとしている。
かねて、出店業者が販売を行うアマゾンのマーケットプレイスには、偽造・模倣品のほか、安全基準不適合や消費期限切れなどの商品が多数あると指摘されていた。
アマゾンには法令遵守チームがあり、出店業者に提出させた商品や製品安全書類を確認している。また、自然言語処理や機械学習といった技術で商品詳細ページの更新情報も調べている。
偽造品めぐる訴訟相次ぐ
しかし、それでも監視の目をすり抜けて出品される例が後を絶たないようだ。6月9日には、業者が医療用マスクの偽造品と疑われる商品を本物の18倍の価格で販売したとして、メーカーの米スリーエム(3M)が提訴したと、米ウォールストリート・ジャーナルなどが報じた。