昨年9月「クライメート・プレッジ(気候公約)」を発表した、ナショナルプレスクラブでのジェフ・ベゾスCEO。

 米アマゾン・ドット・コムは6月23日、気候変動対策を支援する投資基金を設立すると明らかにした。名称は「クライメート・プレッジ・ファンド(Climate Pledge Fund)」。投資資金は当初20億ドル(約2100億円)で、運輸や物流、エネルギー、蓄電池、製造、資源循環、食品、農業などの幅広い分野を対象にするという。

「気候公約」に寄与する企業に資金拠出

 目標達成に貢献する製品やサービスを開発する企業に投資するというもので、同社のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は声明で、「立ち上げ間もない、製品やサービスを開発中のスタートップ企業から歴史のある大手企業まで、すべての規模・段階の企業が検討の対象になる」と述べた。

 アマゾンは昨年9月、2040年までに事業活動からの二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの取り組み「クライメート・プレッジ(気候公約)」を発表した。

 パリ協定の目標年である2050年よりも10年早くカーボンニュートラルを達成することを目指している。先ごろはこの取り組みに米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズやインドのIT(情報技術)大手インフォシスなどが参加したという。

 今回の投資基金では、この取り組みに寄与する製品やサービス、技術を手がける企業に資金を拠出し、ゼロ炭素経済への移行を促進させるという。

2025年に再生可能エネルギー使用100%へ

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、年間数百万個ものEC(電子商取引)の荷物を顧客に配達しているアマゾンは近年、温室効果ガス排出の元凶だと批判され、同社に対する圧力が高まっているという。

 今年1月には、気候変動対策を求める従業員グループ「アマゾン・エンプロイーズ・フォー・クライメート・ジャスティス」がインターネット上で同社に対する抗議活動を繰り広げた。従業員グループは、アマゾンの対策が手ぬるいとし、再生可能エネルギーの使用比率を100%にする取り組みの目標期限を厳守するよう求めている。