築93年の歯科医院を都農町初のコワーキングスペースに

 人口1万人の都農町に移住、起業するにあたり最初に困ったことがオフィス探しでした。(前回の記事はこちら「社長辞め人口1万人の都農町に移住・起業した理由」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60902

地方起業の最初のハードル、賃貸オフィス

 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、地方移住、二拠点居住などのフレーズを見聞きすることが増えていますが、地方といっても、政令指定都市レベルから1000人単位の村レベルまで一括りにはできません。

 全国1718市町村の中で、1万人以下の町村が約3割。全体の人口構成比でいくと2%前後です。

 小さな町村は働き手が必要、起業してすぐ使えるオフィスがない。

 大きな都市は働き手が過剰、起業して使えるオフィスが余っている。

 改めて言うまでもないアンバランスですが、地方で起業、二拠点居住者を誘致、推進していくなら、イニシャルコストが低く、ワイファイが完備しているオフィスが必要だと身をもって感じました。

地元の人と一緒だからできること

 都農町でオフィスを探しても物件がなく、空いている建物を丸ごと買うか、借りるか。立ち上げたばかりの会社にとって、これは非現実的な選択。

 地方あるあるで、シャッター街が多くても、実際に所有者は経済的に困ってないことが多く、面倒なことをしたくない、貸すと防犯面が不安などの理由で、シャッターを下ろしています。

 よそ者がいきなり行って、借りることはほぼできないと思います。

 もう一つ、都農町の場合は、下水道が浄化槽方式で、住宅は助成金が出るものの、商業・オフィス用途は自己負担のため数百万円が必要。