政治に参画する機会の少なかった多様な背景を持つ方々とフラットに語り合う場「TokyoCrossPoint~学びの未来~」(2019年9月に開催)

「実は政治に関心がある」という若者は多い。政治家はその若者の代弁者になるのではなく、若者が直接的に政治に参画していく道しるべを示すことが新しい政治家の役割ではないか。東京都議会議員の奥沢高広氏はそう主張する。(JBpress)

※本記事はPublicLab(パブラボ)に掲載された「政と民の間にある第三の選択肢を(1)~(3)」を再構成したものです

(奥沢高広:東京都議会議員、合同会社Cross Point代表社員)

政治家が答えを持っていない時代

 日本経済新聞の「数字で見るリアル世論郵送調査2019」では、信頼できない組織・団体のトップが国会議員という調査もあるほど、日本の政治は国民に信頼されていません。

 私は、この状況を「政治家が答えを持っていない時代」と捉えています。

 これまで頼りにしてきた地域や業界団体の声と多様化するライフスタイルが合致せず、国民感覚とかけ離れた言動をする政治家。時代の変化に合わせて、社会の仕組みを変えていくべき存在であるはずなのに、社会の変化に追い付けず、むしろイノベーションの障壁になっている政治家。たまたま政治と接点のある人とだけの一方通行のコミュニケーションしかとらず、一部の既得権の肥大化と多くの住民の無関心を加速させている政治家。

 このような問題意識から、いわゆる政治くささをなるべく消して、これまで政治に参画する機会の少なかった多様な背景を持つ方々とフラットに語り合う場「Tokyo Cross Point」を開催してきました。

 そこでは、子育て中のパパ・ママや、障がいのある方、ベンチャー企業の方などが集い、真剣に語り合い、子育て、教育、観光、まちづくり、いくつもの「政と民の間にある第三の選択肢(新しい政策提言)」が生まれてきました。

 一方で、若者と関わることの難しさも感じていました。もともと私が政治を志したのは、学習塾と通信制サポート校を運営していたときに、「なぜ子どもたちの声は政治の世界に届かないのだろう」と思い、その代弁者になろうと思ったからです。

 しかし、議員になってみて、若者との距離ができて、どんどん感性が離れている自分に気付かされました。当たり前ですよね、学生の頃、30代後半なんておじさんだと思っていましたから(笑)。