自転車に乗る人

 仕事が在宅勤務へと切り替わり、不要不急の外出を控えていることで、身体を動かす機会が減っているかもしれません。そのため、必要な外出時に、人との接触が少ない自転車で移動をする人も増えているようです。その際に気を付けなくてはいけないのは、自転車保険についてです。

自転車保険で備えられるリスク

 自転車はお子さんから高齢の方まで、幅広い年代の方が利用できる、便利で手軽な移動手段のひとつです。一方で心配なのが、交通事故にあうリスクです。

 警視庁の「都内自転車の交通事故発生状況」 によると、東京都内で発生した交通事故全体のうち、自転車が関わっている事故の割合は39.0%と全体の4割近くを占めています。自転車を利用するときは、自分が事故の被害者になる可能性、そして加害者になる可能性もあるのです。そうしたリスクに備えるための保険が、自転車保険です。

 自転車保険とは、自転車を運転しているときの事故で、他人にケガをさせてしまった場合や他人の物を壊してしまった場合の損害賠償や、自分がケガをしてしまった場合の治療費などに備える保険です。

 補償内容は、自分が日常生活の中で起きる事故で加害者となってしまったときの個人賠償責任補償が基本です。商品やプランによっては、自分が被害者になった場合の通院・入院費用の補償や、事故の相手との示談交渉を保険会社が行う示談代行サービス、自転車の故障などで自力走行が難しくなったときに搬送を行うロードサービスなどもあるようです。

各自治体で進む自転車保険の加入義務化

 自転車保険は民間の保険会社の商品ですが、各自治体で加入の義務化あるいは努力義務化が進んでいます。2020年4月現在、自転車保険加入の義務化・努力義務化が条例で定められているのは下記の地域です。

【図表】地方公共団体の条例の制定状況(2020年4月1日現在)
地方公共団体の条例の制定状況出所:国土交通省「地方公共団体の条例の制定状況(2020年4月1日現在)」

 自転車保険加入が義務化されている地域で自転車に乗る場合、その地域の住民でなくても自転車保険加入が必要となります。また、未成年のお子さんも、保護者がお子さんを保険に加入させなくてはいけません。