自転車保険加入の義務化が進められている背景には、自転車側が加害者の事故で、損害賠償額が高額となるケースが出てきたことも要因としてあげられます。2013年に兵庫県で起きた、当時小学5年生の児童が加害者となった事故では、約9,500万円の賠償を命じる判決が神戸地方裁判所より出されています。こうした自転車を取り巻く状況を踏まえて、兵庫県では2015年に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が制定され、日本で初めて自転車保険加入の義務化が決定しました。

 そして現在では各自治体で、被害者の救済を確実に行えるように、そして加害者側の経済的負担を軽減するために、自転車保険の義務化が同様に進んでいます。

自転車事故自転車を利用するときは、自分が事故の被害者になる可能性も加害者になる可能性もある

自転車保険の検討時は補償の重複に注意!

 義務化と聞いて、自転車保険の加入を急ごうとする人もいるでしょう。しかし、実は既に必要な保険に加入している場合もあります。

 義務化で加入が必要なのは、自身が加害者になってしまった場合の損害賠償金を補償する保険です。自転車保険と名前がついていなくても、次のような保険に同様の補償が付帯されていることもあります。

【個人賠償責任補償がある保険の一例】

  • 自動車保険
  • 火災保険
  • 傷害保険
  • TSマーク付帯保険
  • 共済 など

 これらの保険に加入しており、オプションなどで個人賠償責任補償を付帯していた場合、既に義務化への対応が完了している可能性があります(※)。補償が重複していても、受け取れる保険金が増えるというわけではなく、余分な保険料支払いが必要になる可能性もあります。まずは自身がどんな保険に入っているのか、補償額はどれくらいかを確認しておきましょう。

 ※保険商品や加入時に選んだプランによっては個人賠償責任補償がない場合もあります。保険証券などで補償内容を必ずご確認ください。

 ただし、個人賠償責任補償は自身が加害者になってしまったときの補償です。通勤通学で毎日自転車に乗っていたり、自転車に乗るのが趣味であったり、自転車に乗る時間が普通の人より多い場合は、自分のための補償や幅広いサービスもある自転車保険を検討する、というのも方法のひとつです。上記の保険で補償額が少ないと感じた場合も同様に、自転車保険の検討をしてもよいかもしれません。

 自分のニーズに応じた自転車保険選びをすること、そして保険に加入しているかどうかに関わらず、自転車を運転するときはしっかりと安全対策を取ること。自転車に乗る場合は、この2つに気を付けたいですね。